お天気に休みはない

算数や数学の教科書を読んでいて、しばしば統計が出て参ります。私は、わからないことがあると、たとえば総務省統計局に電話したり、気象庁に電話したり、国土地理院に電話したりしています。そういうところは大概、待たされることなく電話に出てもらえて、正確な情報が得られることが多いです。

最近、天気に関する確率と相対度数の関係について、気象庁に電話して聞きたくなったときがありました。しかし、その日は祝日(天皇誕生日)で、「きょうは気象庁はやっていないだろうな」と思ったのでした。しかし、私は気を取り直して気象庁に電話しました。その理由は

お天気に休みはない

ということに気づいたことでした。

お天気に休みはないということは、休みの日でも観測をしている人はいるはずで、予報を出している人もおり、休みの日でも気象庁の全員が休みであるはずはない、ということに気づいたということです。

結局、祝日に電話はつながらず、平日に電話してようやくつながりましたが。(しかも気象庁では解決しない問いでした。教科書の会社に電話して聞きました。たとえば降水確率とは厳密には確率ではないのでした。相対度数を確率とみなしているだけでした。このへんの細かい議論は私にもわかりません。その教科書会社のかたもあまり歯切れのよくないお返事でした。コルモゴロフ流の確率の定義まで視野に入れて中学校の教科書は書いてあるのかもしれません。私の専門であった幾何学でもそこまで視野に入れて初等中等教育の教科書が書かれてあることはしばしばあります。)

話は戻りますが、これに限らず、休みの日に働いている人のおかげで休みの日に休める、ということがあります。

私の学生時代の教会では、日曜日の礼拝のあと、皆さんでサイゼリヤに行き、食事をするのでした。これも、日曜にサイゼリヤで働く人のおかげで、皆さん礼拝後に食事ができたわけです。

私には学校の総務の経験がありますが、学校は警備員さんが夜、働いてくださっているおかげで成立していました。学校の終わる午後4時に警備員さんに鍵をお渡しし、翌朝8時まで警備員さんに任せてあるのでした。年末年始休暇などは2週間連続くらいで警備員さんのお世話になっていました。

また、たとえば全校一斉停電を伴う点検や修理は、日曜日に行われていました。授業のある時間に全校一斉停電はまずいですので、そういうのは日曜に行うわけです。これも、みんなが休んでいるあいだに働いておられるかたのおかげであるわけです。

ゴールデンウィークには教室のワックスがけが行われていました。

もっとずっと身近な例でも、たとえば家の水道の蛇口を、抜き打ちで真夜中にひねっても水は出るでしょう。それはやはり夜でも水道で働いておられるかたがおいでになるわけですね。

というわけで、みんなが休んでいるあいだに働いてくださるかたのおかげで世の中は成立していました。

いまの私は、日曜や祝日に関係なく働いていますが、だいぶマイペースで働くことができてありがたいと思っています。お金を払って誰かに働いてもらっているのですね。そしてお金をいただいている。このような自営業となり、「仕事とはなにか」「お金とはなにか」ということについて考える機会が増え、だいぶ社会の仕組みを理解しつつあります。ありがたい気づきだと思っています。

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