また、当教室での授業のご紹介をいたしますね。掲載にあたり、ご本人様の許可は得ております。
ここ1、2か月で入門なさった、比較的新しい生徒さんです。理系のお仕事をなさっています。高校では、それほど数学を履修しなくても卒業できる学校だったそうで、あまり高校時代に数学を学んでおられないとのことでした。しかしいま、数学を使うお仕事をなさっており、基礎から数学を学びたいというご希望で、入門をなさいました。
この生徒さんとは、「はじめましての会」(授業の開始前の無料相談会。ご相談だけでしたら無料です。途中での「方向性を考える会」も無料です)、で、どの分野を学ぶか、相当、お互いに考えました。中学で習う「円周角の定理」か、それとも高校で習う「場合の数」か、あるいは「平面図形」か・・・。この生徒さんは、数学を使うお仕事とはいえ、数学は一朝一夕に身に付くものではないとお気づきになっており、何年かかっても基礎から学びたいという意思をお持ちでした。80分ほど話し合い、「三角比」から学ぶことになりました。
当教室は、ホームページを作ってからでも1年以上はたちます。にもかかわらず、当教室で三角比を学ぶ生徒さんはこの生徒さんで初めてだったのです。三角比とは、三角形の辺の長さの比のことです。世間一般でも「サイン、コサイン、タンジェント」を習った記憶のあるかたは多くいらっしゃる気がいたします。しかし、多くの人が「三角比」と「三角関数」の区別がつかないくらいの認識であることに私は気づいていました。私たちは、三角比の基礎から学ぶことにいたしました。
高校1年生の教科書の三角比の最初のページに、いきなり「角${\theta}$のタンジェント(${\tan\theta}$)とはなにか」が書いてあります。数学はしばしば、学ぶ内容の最初に最も大切なことが書いてあったりします(「多様体」にせよ「群」にせよ、最初に定義を学ぶものです。いろいろ修行を積んだあとにようやく免許皆伝という感じではなかったりするのですね)。そのかたとの最初の授業では、鋭角(0°より大きく90°より小さい角)のタンジェントについて、90分にわたり、定義をご説明いたしました。「比」のご説明、「比の値」のご説明、「比が等しい」ことのご説明、「相似」のご説明、「相似比」のご説明・・・。
この生徒さんの大きな長所は、わからないことは聞くことがおできになる点です。不明な点は必ずご質問くださいました。そのおかげで、私はその都度、お答えすることができました。
この生徒さんは、この初回の授業と、つぎの授業で、角${\theta}$にたいする${\tan\theta}$(タンジェントシータ)の定義を完全に理解なさいました。すぐに${\sin\theta}$(サインシータ)、${\cos\theta}$(コサインシータ)の定義も完全に理解なさいました。「同じ形ならば同じ比である」ことを理解なさいました。円もすべて「同じ形」なので、円の直径の長さと円周の長さの比である円周率についても正確に理解なさいました。
このように、高校時代にあまり数学の勉強をなさっておられないかたでも、いやむしろその「先入観のなさ」が強みとなって、いきなり三角比の本質的な理解に到達なさる生徒さんがおいでになるのです。前に、微分および積分の本質をいきなり理解なさった生徒さんのご紹介もいたしましたが、このような生徒さんは稀ではありません。
「学生時代にほとんど数学を学んでいないから・・・」というような躊躇は無用でございます。むしろ、その先入観のなさが武器になることがあります。どうぞお気軽にお問い合わせください。大歓迎いたします!