自分の頭で考える頼もしい高校生の生徒さん

当教室の授業の様子を公開いたしますね。掲載に当たり、ご本人様および親御さんの許可は得ております。

ご入門は、昨年度の3月です。高校にあがるお子さんのために、親御さんが、一気に6回ぶんの月謝をお支払いになってのご入門でした。もしかしたら、私の学歴をご覧になってのご入門だったかもしれません。高校で習う「集合と命題」という章をご一緒に学ぶことになりました。

連絡が取れるのはおもに親御さんです。お子さんの声は、親御さんを通じて聞こえてきました。なかなか問題演習をやらせてもらえない。先生は賢い人だと感じられるが、変わった人だと感じられる。賢い人は変わっているのだろうか。そのような、お子さんの声が、親御さんを通じて伝わってきました。

しかし、その生徒さんおよび親御さんは、その最初の6回で、私のことを信頼してくださるようになりました。ありがたいことです。すぐ高校に入学なさいましたが、引き続き、私から数学を学びたいというご希望でした。「星くず算数・数学教室で数学を学びたいが、なにを学ぶのかは決まっていない」という状態でしたので、私のほうからいくつかテーマの候補を挙げさせていただきました。おもに高校数学の「先取り勉強」でした。最終的に、標準的には高校2年生で学ぶ「数列」を学ぶことになり、いまもご一緒に数列の勉強をしております。

数回前、等比数列の和の公式を学びました。その次の回、その演習問題をその生徒さんに解いていただこうとして、壁にぶつかりました。その生徒さんは、等比数列の和の公式を根本から理解はなさっていなかったのでした。その生徒さんは「新しい公式を習った。覚えて問題を解く」というふうに数学を認識しておられたのでした。

われわれは、90分かけて、「そもそも数列の和とはなにか」から考え直し始めました。その次の回です。私は「どうなったかな…。まだわかっていなかったら、ずっと進めないのかな…」と思ったりしておりました。

しかし、実際には、その生徒さんは、きちんと理解して次の授業に臨まれたのでした。等比数列の和の公式は、根本から理解しておられました。それは手に取るようにわかりました。頼もしいです。その次に出てくる${1^2+2^2+\cdots+n^2}$はすんなり理解なさいました。この生徒さんは「そもそも数列の和とはなにか」を根本から理解なさったからです。その次の回には、${1^3+2^3+\cdots+n^3}$の公式を自力で導出なさいました。

この生徒さんは、ご自身の頭で考えて、表面的理解から、根本的理解へと進まれたのでした。これからも楽しみです!

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