根も葉もないうわさもハマっていると定説となる

ある先生は、バツイチで娘さんがいる、という、まことしやかなうわさがあります。根も葉もないだれかの想像らしいのですが、ただ、その先生がバツイチである(そして娘さんがいる)というのは、非常にハマっています。それで、「定説」となってしまったようなのです。最初にこれを言った人は、「あの先生はバツイチなのかもね」と(無責任な想像を)言っただけなのでしょうが、これがハマっていたため、またたく間に広まって、(何人かの人を介して「伝言ゲーム」が行われるうち)「あの先生はバツイチなのだそうだよ」というふうに言われるようになったのだろうと思います。「根も葉もないうわさもハマっていると定説となる」という現象です。これは身近にしばしばある現象です。

私が小学生だった40年以上前のこと、当時のラーメンにはシナチクが入っていました。メンマのことです。今のラーメンにもメンマは入っていますね。私が、シナチクのことを(まったく根拠なく)「サイの肉だ」と言ったところ、友人の周辺でこれは「定説」となってしまいました。(サイとは動物園で見る例のツノのある動物です。)いかにもそんな気がしたからでしょう。

イエス・キリストは、家畜小屋で生まれたそうです。(聖書には「飼い葉おけに寝かされた」とあるのみですが、ここは一般的に言われる通り、家畜小屋で生まれたという言い方にしておきます。)母親のわきの下から生まれたというお釈迦様もそうですが、超人的な人が超人的な生まれ方をする伝説は多いと思います。これも、イエスのその生涯があまりにも超人的であったため、誰かが(無責任に)「イエス様って、家畜小屋で生まれたのかもねえ」と言ったところ、それがいかにもハマっていて、定説となり、聖書にも載ることになったのではないかと想像します。最初にそれを言った人に聞いたら「え?オレはただ空想で言っただけだよ。そんなの真に受けるなよ」と言うかもしれません。

イエス・キリストという呼称のうち、「イエス」は名前で、「キリスト」は「救い主」という意味です。「イエス・キリスト」というのは、「イエスは旧約聖書で預言された救い主だ」という信仰告白ですが、これも、イエスの超人ぶりを見た人が「イエスはキリストなのではないか」と言ったのがハマっていたので定着した、と言えるのかもしれません。

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