多項式が微分を生み出した

このたび、自分が幼少の頃気がついた数学上のことを「自伝風の読み物」にまとめてみて気づいたことです。微分というものはもちろん「瞬間の速さ」という概念の抽象化ですが、微分を生み出したものは多項式だ、ということです。以下に書いてまいります。

最後にリンクを貼ります「自伝風の読み物 ㉔ 4次元の錐の体積、微分積分学の基本定理」にあります通り、私は微分の考えを習って、積分を発見しました。微分の計算の逆の計算をすることによって面積や体積が出ることに気づき、当時、factとして習っていて理由を習っていなかった円錐の体積が円柱の体積の1/3であることは計算でき、n次元錐の体積はn次元柱の体積の1/nであることも計算できたわけです。これは、2次式を微分すると1次式になる計算を習ったことによって計算できたわけです。瞬間の速さという概念はこれよりずっと先に知っていました。小さい頃持っていた動物図鑑で知っていたわけです。

動物図鑑の中に、動物の走る速さが書いてあるページがありました。ゾウが時速40キロ、キリンが時速51キロであったことなどを覚えています。チーターは時速100キロ以上出ていました。これは周囲の大人の説明により、チーターは1時間で100km進むという意味ではなく、瞬間的にその速さが出るという意味だ、ということを理解しました。つまり瞬間の速さという概念は微分を習うよりずっと前から知っているのです。

速さというものを最初に数値化したのは誰でしょうか。小学五年生の算数の教科書には、単位量あたりの大きさというページがあります。 1km²あたりの人口を人口密度というわけです。速さは、この「単位量あたりの大きさ」の一種として同じく小学五年生の教科書で導入されています。「単位時間あたりの移動距離」というわけです。自動車の、単位ガソリンあたりの走行距離を「燃費」というと思います。単位食べ物あたりの仕事をする量を「(人間の)燃費」というと思います。単位お金あたりのどれほど喜べるかというのをコスパといいます(お買い得の度合いを数値化したものと考えられています)。単位時間あたりのパフォーマンスはタイパといいますのでこれはまさに速さです。これらの単位量あたりの大きさという概念は、まだらなものをならして(平均化して)考えています。先ほど、 1km²あたりの人口を人口密度というと書きました。東京都世田谷区の人口密度は1万6千人/ km²だそうです。これはもちろん世田谷区における人間の混み具合が均等だと考えて計算したものです。時速4キロといえば、その1時間で4km進んだという意味で、平均化して考えています(もちろん途中で信号待ちをして止まったかもしれませんし、忘れ物をして引き返したかもしれません)。つまり、速さ(単位量あたりの大きさ)という考え方をしている時点で、瞬間の速さという発想はあるのであり、そこからまだ微分というアイデアは生まれないということです。多項式という偉大なアイデアがいつどこから生まれてきたかということについて、不勉強な私はよく知りませんが、多項式というものから、ニュートンやライプニッツによる微分の発見という偉大な業績が生まれたのでしょう。(${x^n}$を微分すると${nx^{n-1}}$になるという計算の発見。)

先日ある小学生に速さをお教えしていました。 その子は、50m走は9秒だそうです。最も足の速い人がボルトだそうで、しかし、ボルトは100mをおよそ10秒で走ることは知らなかったようで、大変驚いていました。ボルトはフルマラソンをおよそ70分で走ります(100mを10秒、600mを60秒=1分、36kmを60分、42kmを70分)。実際にはそのような訳はなく、これは瞬間の速さであるわけです。このように、速さという概念は瞬間の速さという発想を内包しており、ここからいきなり微分という発想が出たわけではないのです。本日は多項式が微分を生み出したというお話でした。

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