「ひし形とは何か」という問いに答えられた小学生の生徒さん

また、当教室での授業の様子を公開いたしますね。ご本人および親御さんの許可は得ております。

もう1年近く前に入門なさった小学生の生徒さんです。前にもご紹介したことがある生徒さんです。5年生で入門なさり、現在、6年生です。

学校での勉強がおできになるほうなのかはおたずねしたことがありません。しかし、非常に論理的にお考えになるタイプであることは、授業を始めてからわりとすぐにわかりました。この記事で書くエピソードは、昨年度の、授業開始から間もないころのものです。

正方形の面積を求める方法について私はおたずねしようとしました。正方形はひし形の一種であることを確認しようとして、「ひし形とはなんですか」とおたずねすると、その生徒さんは、長い考えに入られました。

その生徒さんは、しばらく「ひし形とはなにか」について考えておられました。私はずっとお待ちしました。ときどきその生徒さんは「対角線が垂直に交わる四角形」とかおっしゃったりするのでした。そのたびに私は「対角線が垂直に交わるものの、ひし形とは言えないような四角形」(以下の図をご参照)の絵をかき「こういうものもひし形と認めなくてはならなくなりますよ」と申しました。するとその生徒さんは、再び長い考えに戻られるのでした。

親御さんの声が聞こえてきます。「まだ習っていないのじゃないの?」。しかし、ひし形の面積を習うのは、ひし形そのものを習うのよりはあとです。ひし形の「定義」は小学4年生で習うのでした。

1時間以上、その生徒さんは考えられ、ついに「そうか」とおっしゃいました。ひし形とはなにか、結論に到達されたのです。「4辺の長さが等しい四角形」のことをひし形と言うのでした。これは教科書的なひし形の定義ですが、私はひし形が定義されていれば、どのようなお答えでも可とするつもりでした(先ほどの対角線の路線で攻めるならば、対角線が互いに真ん中の点で垂直に交わる四角形、でもひし形の定義になります。なりますよね?)。

定義を答えるのが想像以上に難しいことは、そのあと、私も星くず算数・数学教室の講師としての経験をするほどにわかって参りました。たとえば「四角形の定義」は小学2年生で習いますが、意外と皆さん、言えないものです。

答えから作られたパズルのような問いに、すばやく正確に答える能力をもって、学校の成績は決まっています。今回、ご紹介したような、「ひし形の定義を1時間以上考えて結論に達する」というのは、学校の成績では測れない能力だろうと思います。実際、この生徒さんは、計算のようなものや、教科書の問題文の意味はよく間違っておられます。私もご一緒に間違っているのですけどね。

学校の成績では評価されない能力で、当教室で評価できる能力をお持ちのかたはおいでになると思います(それは他の授業の紹介のブログ記事をお読みになってもおわかりになると思います)。どうぞお気軽にお問い合わせください。大歓迎いたします!

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