2乗して自分自身になる数は何か

高校入試くらいの問いです。2乗して自分自身になる数は何ですか?

これは、カンで答えられるかもしれません。${1}$はそうですね。${1^2=1}$ですからね。ほかにありますか?

${0}$はどうですか?${0}$もそうですね。${0^2=0}$ですからね。

では、2乗して自分自身になる数は、${0}$と${1}$だけでしょうか?ほかにはないのでしょうか?

ここで、方程式というものを出しますね。2乗して自分自身になる数ですよね。そういう数を${x}$としますと、以下のような方程式が立ちます。以下の方程式を満たす${x}$(すなわち以下の方程式の解)が、知りたい数ですよね。すなわち、この方程式を解くことによって、2乗して自分自身になる数を知ることができますね。

$${x^2=x}$$

(2乗して自分自身になる、というのを式で表しました。)

これを解くわけです。移項はご存じであるとして、以下のように方程式は変形できるでしょう。

$${x^2-x=0}$$

2次方程式になりましたね。この2次方程式は2次方程式の解の公式を使わなくても解けるわけですので、解の公式は使わないことにします。左辺を因数分解します。

$${x(x-1)=0}$$

2つのものをかけて${0}$になるということは、少なくとも片方は${0}$であることと必要十分ですから(両方とも${0}$でもいいですけど)、以下のようになります。

${x=0}$ または ${x-1=0}$

これを移項して、以下のようになります。

$${x=0,1}$$

${0}$と${1}$が出て来ました。確かに、最初、カンで求めたように、${0}$と${1}$は、2乗すると自分自身になる数です。そして、方程式を解いたときに、${0}$と${1}$しか出てこなかったことは、以下のことを意味します。方程式を解くという手順はずっと必要十分で、この逆をたどることができます。すなわち、この方程式の解が${x=0,1}$だったということは、${0}$と${1}$は、2乗して自分自身になる数であるということが言えるのみならず、2乗して自分自身になる数は、${0}$と${1}$以外にない、ということが言えたのです。

これが方程式の特徴ですね。「方程式を解く」とは、「その方程式を満たす数をすべて求める」という意味だったのです!

さて、冒頭で唐突に、2乗して自分自身になる数は何か、と問いましたが、これには以下のような意味がありました。${-1}$は2乗して自分自身になりませんね。${1}$と${-1}$の違いについて述べたかったのでした。中学に入って負の数を習いますと、まず${0}$より小さい数として、気温や海抜を例に習うわけです。そして、「西へ${1}$キロメートル行くことは、東へ${-1}$へ行くことである」とか「${-10}$キロやせたというのは、${10}$キロ太ったことである」というようなことを習いますので、あたかも正の数と負の数はリバーシブルであるかのような錯覚に陥るとも思いますので、正の数と負の数の根本的な違いについて述べたかったという次第でした。(これに比べると、虚数単位を${i}$として、${i}$と${-i}$は区別がつかないと思いますけどね。)

というわけで、正の数と負の数の根本的な違いと、方程式を解くという行為は、いわゆる必要十分なのだ、という認識の確認でした。以上です!

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