故ロストロポーヴィチの指揮する新日本フィルの演奏会を聴いた(1998年4月2日)

1996年、私はいま思えば発達障害の二次障害の統合失調症で学業を休み、1997年から学業に復帰しました。同時にある市民オケに参加し、そのオケも1年くらいでやめることになった、ということがありました。そのころ知り合った、あるフルートの仲間の先生は、新日本フィル(新日本フィルハーモニー交響楽団)で吹いておられる先生でした。その先生が、ショスタコーヴィチの交響曲第10番で、ピッコロで張り切って臨む、と聞きましたので、チケットを買って聴きに行きました。1998年4月2日、すみだトリフォニーホールにおける新日本フィルの定期演奏会でした。
プログラムは以下です。オール・ショスタコーヴィチでした。
ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調
ショスタコーヴィチ 交響曲第10番ホ短調
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(指揮)
マクシム・ヴェンゲーロフ(ヴァイオリン)
錦糸町の駅で降り、少し早めにホールに着きました。会場には、ショスタコーヴィチのプライヴェートな写真がたくさん飾ってあり、興味深く見ました。
トイレで、東大オケでお世話になった指揮者の先生にお会いしました。たまたまですが、びっくりです。勉強のために来ておられるようなことをおっしゃっていたと思います。
その仲間は、開演の直前に現れました。同じ門下であるというフルートの後輩を連れてこられていました。
さて、本番です。まずはヴェンゲーロフをソロとした、ヴァイオリン協奏曲第1番です。当時の日記から引用します。「ヴェンゲーロフは若くてうまくて元気いっぱいであった」。確かにそのような記憶があります。私はこの曲を生で聴いた唯一の経験になります。ヴェンゲーロフを生で聴いた唯一の機会でもあります。ピッコロの先生は非常にうまく吹いておられました。
後半は、交響曲第10番です。この曲は、非常にピッコロのやりがいのある曲だと聞いています。ところで、この演奏会は、フルートの峰岸壮一さんの引退公演でもあったようです。峰岸さんはすでに2番奏者になっておられましたが、このメインの交響曲だけ、1番フルートを吹かれました。この翌日の同じプログラムでのオーチャードホールでの演奏会がほんとうの峰岸さんの引退公演であったようで、そのときは花束が出たそうです。
とても元気でうまいオーケストラであるという印象を持ちました。終演後、指揮者のロストロポーヴィチは、真っ先にピッコロを立たせました。すばらしい演奏だったのです。
私は、新日本フィルを生で聴いたのがこのときだけです。ロストロポーヴィチの指揮を聴いたのもこのときだけです(ロストロポーヴィチのチェロ演奏は聴かずじまいでした)。
ショスタコーヴィチの交響曲第10番は、これより前、1996年に、ドミトリー・リス指揮ウラル・フィルの来日公演で聴きました。また、それよりずっとあと、あるアマチュア学生オケでも聴きました。
終演後、そのピッコロの先生と、仲間と、皆さんで食事をしました。先生は、ロストロポーヴィチのいろいろな話などをしてくださいました。この日、ロストロポーヴィチさんは、交響曲の第4楽章で振り間違えて、あやうく崩壊しそうだった話などを聞きました。
貴重な経験でした。チケット代が高かったことを覚えていますが、それだけのすばらしい演奏が聴けました。学生時代の大切な思い出のひとつです。
(サムネに当日のプログラムを使うことは、新日本フィルハーモニー交響楽団さんの許可を得ました。ありがとうございます!)
