「パチンコ必勝法」と「お金の価値」「人生の価値」

本日は、私が学生時代に出会った「パチンコ必勝法を見破った人」2人のエピソードと、それから30年くらいの年月がたち、私が「お金の価値」ひいては「人生の価値」に目覚めて、それらのエピソードの意味が変わったお話をしようと思います。
「パチンコ必勝法を見破った人」のひとり目は、東大の仲間です。東大にはいろいろな「天才的な」芸を持っていて、それで東大に入ったと思われる仲間がいました。たとえば、飲み会でどれだけ酔っていても、暗算で「3,478円!」と1円単位で割り勘の金額が言える仲間。教科書を一度見たら決して忘れないという、マンガに出て来そうな人も実際にいました。そんなうちのひとりで、マージャンをするとき、4人がパイを2段に積み上げるわけですが、それらのパイをすべて記憶している仲間がいました。私は彼とマージャンをやったわけではありませんが、彼は誰に何が行ったか、すべてわかるそうでした。ワーキングメモリが大きいのでしょう。彼がトランプの神経衰弱をやったらすごく強そうです。そんな彼が、あるとき、パチンコを始めたのです。
彼は、あっというまに必勝法を見抜きました。私もおこぼれで、景品のお菓子などもらったものです。しかし、彼は1か月くらいでパチンコをやめてしまいました。どうやら、必勝法を見破ったパチンコというのは、時間をお金に変えているだけになるようなのです。つまらなくなるのですね。そんな「天才的な」仲間がいました。
そのころの日記を読んでいて書いてあることです。98年5月14日に聴いた「概説」という、学部4年生向けに、将来の専門(数学者としての)について知るための授業で、確率統計の話があります。当時の私は、あまりおもしろくないと感じたらしいことを日記に記したうえで「宝くじを買うのも、あまり1回でたくさん買い過ぎないことも大事だと思った。極端な話、ぜんぶ買い占めたら必ず損する」と書いています。その通り、宝くじをすべて買い占めたら、胴元が必ず勝つわけですから、必ず負けます。しかし、以下のことがあります。
ここまでは四半世紀以上前の話です。ここから急に、今年の話になります。授業のなかった日、あるリアルの友人と、遊びに行きました。そこで、ロトセブンのような宝くじを買ったのですが、彼は「あーおもしろかった!」と言っていました。そこで、この半年ほど、お金や仕事について人生を見直している私は、宝くじに対する考えが変わったのでした。宝くじを私はほとんど買ったことがありませんでした。上述の通り、必ず損するからです。しかし、宝くじとは、いま書いたような「楽しさ」「おもしろさ」を買うものであったのです。当たるかもしれないというわくわく感。これが、お金の価値であり、ひいては人生の価値でした。今後の私が宝くじを買うとは限りませんが、少なくとも私は「なぜ皆さんは宝くじを買うのか」という根源の理由をようやく知ったのでした。
同じように考えると、先述の、パチンコの必勝法を見破った彼がなぜすぐにパチンコをやめたのかも理解できます。わくわく感がなくなるからでしょう。
さて、もうひとり、学生時代に、パチンコの必勝法を見破った仲間がいました。彼は東大生ではありません。寮の友人でした。私の住む寮は、さまざまな大学の学生がいました。彼は、大学にほとんど行かず、単位もほとんどそろえず、ひたすらパチンコ屋さんに行って、パチンコをしていたと聞きました。
あるとき、彼と一緒に単発のバイトに行くことがありました。彼は、あれほどのめりこんでいたパチンコを、すっかりやめていると聞きました。私はバイト先へ行くバスのなかで、彼に、なぜパチンコをやめたのか聞きました。彼は真顔になって「あれは人間のやるものじゃない」と言いました。
彼の話によると、彼も必勝法を見破っていました。しかし、必勝法を見破ったパチンコは、やはり時間をお金に変えるだけのものになるようでした。「バイトになってしまうんだ。それも、誰の役にも立たないバイトなんだ」と彼は真顔で言っていました。彼の言う意味は、これから30年くらいが過ぎたいま、ようやく私のなかで意味を持ち始めました。
つまり、お金というものは、お礼であったのです。誰かを喜ばせて、報酬として受け取るのがお金であったのです。30年前の私は、彼の言うことでわからないことがありました。「しかも、誰の役にも立たないバイトなんだ」というところを強調する彼の意図です。30年の年月をへて、ようやく意味が通じるものがあります。お金を稼ぐからには、誰かの役に立っていないと仕事をする意味がないのです。こんなことも私はわからなかったのです!
昨年の末、お問い合わせをくださって、当教室に入門なさった、私と同じ世代の、すなわちアラフィフの生徒さんがおいでになります。会社経営をなさっています。社員さんといっしょに活動する、とてもよい社長さんであられるようです。私がお金や仕事について見直しをはじめた時期のご入門であり、授業中に、ご一緒にしばしばお金や仕事の話もします。われわれの世代で中学時代には習わなかった統計の分野をご一緒に学び、いつも充実した時間を過ごしています。学生時代の専門が位相幾何学であり、統計とは縁のなかった私は、その生徒さんには、私は大学院までばっちり統計学を学んだ人間ではないことをお断りして、ご一緒に統計の勉強を始めましたが、ここまでの学びで、どうやら統計学とは、まだ見えない将来を知るために、過去のデータを分析する学問であるとの認識を持つようになっていました。そこで、本日の記事のような「ギャンブルの話」(パチンコ等の話)となったわけですが、その生徒さんは、共感をもって聞いてくださいました。ありがたいことです。
数学については学生時代(スタートは小学生のころ)から、そのパチンコ必勝法の話もいずれも学生時代に聞いた話で、しかし、お金や仕事、そして人生のほんとうの価値について学び始めたのは48歳となったこの半年くらい、というアンバランスな私ですが、人生について大切なことを学び始めることができてありがたいと思っております。その生徒さんとも話したことがありますが、48歳という年齢は、まだこれからしばらく生きて行かねばならない年齢です。ご一緒に、一生、学び続けたいと思っています。
本日の記事は長かったですね!最後までお読みくださり、ありがとうございました!
(この記事の最後のほうに出てくる生徒さんにはブログにおける使用許可を得ています。)
