「割合」というものについて大人になってから改めて学ぶこと

ある大人の生徒さんと、「割合」について学んでいます。以下の例は、X(ツイッター)で、敬愛する「数学とってぃ~」先生が挙げられていた例です。「半チャーハン40%増量」と書いてあったそうです。これは、本来のチャーハンのどれくらいの割合でしょうか?

${0.5\times1.4}$だとすると、${70}$パーセントなのでしょうね。そこまできっちりお店の人も、あるいはお客さんも計算していないかもしれませんが。

急に古い例となります。健康保険は、現在、3割負担ですが、これが、2割負担だった時代があるのです。あるとき3割負担となりました。テレビ番組「笑点」で、歌丸さんが解答者として、奥さんの役をやり「なんで医療費が3割増しになるのよ!ビンタも3割増しよ!」と言っていました。さて、2割が3割になるのは、3割増しでしょうか?

ある人は、1割増しと言っていました。しかし、よく考えてみると、実費で1,000円だとして、200円負担が、300円負担になったわけですから、5割増しだとは言えないでしょうか。

また話は変わります。かつて私の近所に本屋さんがあり、私はその本屋さんの、「見せると10パーセント引きになる券」を持っていました。(勤めていた学校の図書館がその本屋さんのお得意だったからです。)消費税は10パーセントです。この本屋さんで本を買うとき、消費税をかけてもらってから割引してもらうのと、割引してもらってから消費税をかけてもらうのと、どちらがお得でしょうか?

たとえば、1,000円の本があったとして、先に消費税をかけると1,100円となり、これの10パーセント引きは110を引いて990円です。いっぽうで、1,000円から先に10パーセントを引いてもらうと900円で、これに消費税を加えると、990円です。同じ金額になりました。これは偶然でしょうか。

これは、${1.1}$をかけてから${0.9}$をかけるのと、${0.9}$をかけてから${1.1}$をかけるのと、同じように${0.99}$をかけることになるわけです。かけ算は結果がやる順番によらないですから。つねに1パーセント引きになるわけですね。スーパーでよくお魚が50パーセント引きだったりしますが、ああいうのもレジでどの順番に割り引いたり税をかけたりしても同じだということになりますね。

あるときQuoraで、私の回答へのコメントだったと思いますが、現役の小学生と一緒に、割合とか、分数とか、比とか、比例とかをきちんと学び直したら勉強になるだろうなあ、というようなものをいただいたことがあります。私も感じていることがあります。「比」という概念の先にたとえば「三角比」があるわけです。三角形の辺の長さの比です。これは多くの皆さんが「サイン、コサイン、タンジェント」とおっしゃっていて、学生時代に習ったけれどもよく覚えていない数学の例としてしばしば挙がるものです。私のこの星くず算数・数学教室の講師としての少ない経験から言えることは、これは多くの皆さんは、「サイン、コサイン」に至るずっと前の段階から不明になっておられるのであり、小学校の「比」「比例」「割合」などからおそらくあいまいになっておられるのです。

先ほどの生徒さんとは、そういう貴重な経験をさせていただいております。大人になってから、改めて小学生用の教科書で、割合について学ぶこと。「微分・積分」も「比例」という概念がモノになっていることを前提とした勉強です。大人の数学の学び直しは、いろいろな楽しさがあります。ありがたい経験をさせていただいております。

(ここに出てくる生徒さんにはブログにおける使用許可をいただいています。)

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