生涯でベスト20に入るブレイクスルーを味わわれた大人の生徒さん

また、当教室での授業の様子を紹介させていただきますね。掲載に当たり、ご本人様の許可は得ております。

今年(2023年)の1月ごろにお問い合わせをくださった大人のかたです。算数の学び直しをご希望でした。ただし、ときどき幾何的なトピックを入れてほしいとのことでした。

小学校1年生の算数から学び始め、ときどきその「幾何的なトピック」の要素を入れながら手探りで授業をすすめていきました。

生徒さんによって、脱線を好まれるかたもおられますし、一途に数学を学ぶタイプのかたがおられたりしたり、さまざまなのですが、この生徒さんは、ひんぱんに脱線をなさるかたでした。その生徒さんが、あとから「あれは生涯でベスト20に入るブレイクスルーだった」とおっしゃる出来事があります。

小学2年生の教科書で、「はこの形」を学んだときのことです。いわゆる直方体や立方体の形です。直方体には、面が6つ、辺が12、頂点が8つあります。これはなぜか。

そこで、「点」→「線分」→「正方形」→「立方体」のつぎの図形を考える話となりました。その次に来る図形はおそらく4次元の図形でしょう。その図形は、頂点がいくつで、辺はいくつで、面はいくつでしょうか…。その生徒さんに、私が中学生のとき、これを最初に考えたときに思った「線分をそれを含む直線の方向と違う方向に動かすと正方形ができる」「正方形をそれを含む平面の方向と違う方向に動かすと立方体ができる」という発想を話しますと、やがて理解をされ、「その発想は天才的だ」とおっしゃり、4次元、5次元と考えていかれました。

そして、この生徒さんの「ブレイクスルー」とおっしゃるものは次のことでした。4次元を日常的に見ることがあるのか?というようなその生徒さんの問いに私は「身体測定における、身長、体重、胸囲、座高」とお答え申し上げますと、これが気づきであったようなのです。数が4つ並んでいれば4次元であることに気づかれたのでした。それまで、この生徒さんは、3次元といえば、われわれの住む3次元空間であり、それより高い次元は「見えない」と思っておられたということらしいです。

その生徒さんは、自営業をなさっており、私とは「自営業仲間」でもあるのですが、この気づきはお仕事に活かされているそうです。物事を(文字通り)多次元的にとらえるのに役立っているとおっしゃっておられました。

いま、この生徒さんは、小学校1年生から開始した算数の学び直しを、3年生まで進めておられます。長く続けていただくことによって、このような「ブレイクスルー」に至る生徒さんもおられるということです。引き続き、たくさんの脱線をしながら、ゆっくりと小学校の算数、そしてときどき「幾何的なトピック」の話をしながら、この生徒さんとの授業を続けていきたいと願っています。

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