幼少のころの数学上の体験を書いた「自伝風の読み物」仮に完成、ここに置いておきます。

幼少のころの数学上の体験を書いた「自伝風の読み物」ですが、最後をどうするかだけ保留のまま、仮に完成としました。ここに置いておきます。
「自伝風の読み物」の概略を以下に記します。
—————————————————————————————————–
幼稚園のころ、モノドロミーというもの(あるいは被覆空間というようなもの)に気づいていた記憶がある。これは、このたび東北大の長谷川浩司先生に聞き手になっていただくまで、ほとんど誰にも言えていなかった。
幼稚園に上がる前かもしれないが、開集合、閉集合というような発想をしていたことも思い出した。
幼稚園の年中か年長のころ、クリスマス会で、幼稚園の先生が、以下のような出し物をされた。新聞紙を細長い長方形の形に切り、はしとはしを貼り合わせて、円柱の側面(アニュラス)のようなものを作り、それの真ん中をはさみで切った。2つの細い輪ができた。これは園児も想定内である。つぎに先生は、同じように新聞紙を細長く切り、はしとはしを、180°ひねってくっつけ、メビウスの帯のようなものを作り、それの真ん中をはさみで切った。すると、大きな一つの輪ができて、園児たちは驚いた。つぎに先生は、同じように新聞紙を細長く切り、はしとはしを、1回転ひねってくっつけ(またアニュラスができたが、先ほどとは${R^3}$への埋め込み方が違う)、それの真ん中をはさみで切り、ホップリンクのようになった2つの輪を見せた。園児たちは再び驚き、喝采した。これを私は印象的に覚えていて、その数年後、小学校の3年生くらいだったかもしれないが、これを図で説明できるようになった。その新聞紙の境界だけ考え、いわゆる変位レトラクトを考えているような図をかいて、図で説明できたわけである。
(こう書くと、ずいぶんませた子供に思えるが、実際の私は、整理整頓が苦手で、忘れ物やなくし物の絶えない、だらしのない子供であり、成績も振るわず、教師や親から厳しく叱責されるような子であった。このころ、厳しく叱責されすぎたことが、自分で自分の評価を下げ、博士課程1年のころ、大きな病気をやることになったり、つい最近まで、これらのことを言葉にできていなかったりした大きな原因であったと思う。)
小学校低学年のころ、動物図鑑を持っており、ずいぶん読んだ。当時、シマウマのしましまに興味を持っていたが、それは、葉層構造的な興味の持ち方であったと思う。
また、小学校でかけ算を習う前、かけ算が交換可能であることを知って衝撃を覚えたことがある(10が7個で70であり、7が10個で70であることに衝撃を覚えた記憶がある)。
小学校3年、4年のときの担任の先生は、おそらく数学の得意な先生であられ、印象的な算数の授業がいくつかある。三角形の3つの角の和が常に180°になる証明や、円周率が3より大きく4より小さい証明は感動的であった。円の面積の公式についても習ったが、ずっとのち、高校で、sin x/xは、x→0のとき、1へ近づくこと(*)を習い、その証明は、円の面積の公式を用いていたが、それだと、小学校のときに聞いた理屈は、円の面積の公式の導出に、*を使っていたことになり、妙ではないかと高校の先生に質問をしたことがある(先生も、確かに循環論法ですねとおっしゃった)。
小学校高学年のとき、先生が、4つのものの並べ方を、黒板に樹形図でかかれたが、それが、4かける3かける2かける1通りで、24通りになっていることに気づいた。
中学のとき、以下のことに気づいた。当時、インターネットのない時代で、4次元と言うと、子供向けの科学読み物等で、ややファンタジックであやしいもののように書いてあったと思うが、よく考えると、4次元というものは、あった。ある線分を、その線分を含む直線と違う方向(垂直な方向)へ動かして得られる図形が正方形であり、正方形を、その正方形を含む平面と違う方向(垂直な方向)へ、動かして得られる図形が立方体なので、同じように考えると、立方体を、その立方体を含む3次元の空間と違う方向へ、動かして得られる図形があるではないか!と気がついて、興奮したことを思い出す。
同じく中学のとき、2直線の位置関係は、平面上だと(1)ぴったり重なる、(2)1点で交わる、(3)平行、の3種があり、3次元の空間では、(4)ねじれの位置、が増えるわけだが、これで、4次元に行ったら、いかなる関係が増えるかと考えた。これはしばらく考え、もう増えないと気づいた。直線は異なる2点で決まっているが、同じように考えると、2直線は一般には4点で決まっており、一般の位置にある4点は、ある3次元空間を定めているので、2直線はどのような位置にあっても、ある3次元空間に含まれているため、2直線の位置関係は、3次元空間であり得たもの以外にあり得ないと気づいたわけである。これも気づいたときは大きな衝撃があった。
同じく中学のとき、ある線分を含む直線上にない1点と、その線分上のすべての点を結んで得られる図形が正三角形で、ある正三角形を含む平面上にない1点と、その正三角形上のすべての点を結んで得られる図形が正四面体なので、この高次元版があると気づいた。単体というものの存在に気づいたことになる。
高校2年のとき、物理の時間で、微分の考えを習ったとき(とくに、2次式を微分すると1次式となる計算を習ったことが大きいが)、微分の逆の計算をすると、面積や体積が計算できることに気づいた。ここまでに、立方体と単体が、何次元に行っても存在することに気づいていたので、つまり、〇〇柱とか、〇〇錐というものに気づいていたので、中学でfactとして習っていた、〇〇錐の体積は、〇〇柱の体積の1/3であることは計算できたと同時に、n次元錐の体積は、n次元柱の体積の1/nであることも示せた。
中学のとき、立方体と、単体は、何次元に行っても存在することに気づいたわけだが、では、4次元における、正多面体に相当する図形は、ほかに何があるのだろうかと考えた。高校1年の夏休み、模造紙を買って来て、勉強部屋の床に敷き、ひたすら線を引いて、かこうとしたが、いくら線を引いてもかき終わらなかった。高校2年のころ、ラジアンを習った。角の頂点を中心とする単位円の、角が切り取る弧の長さをもって、角の大きさとする発想であった。これを高次元化することを考えた。それで、試行錯誤のすえ、半径が1の球面の上の3つの大円で囲まれた部分の面積は、その3つの角の大きさを、a、b、cとしたとき、a+b+c-πであることを示したりしていた(面積を足したり引いたりすることで出た)。これは、あとから習ったことによると、ガウス・ボンネの定理の一部に気づいて証明していたことになるのかもしれないが、このたび、よく思い出してみると、当時の私は、あくまで高校生的に素朴に、1次元といえばユークリッド的にまっすぐ、2次元といえばユークリッド的にまったいら、と考えていたので、ガウス・ボンネの定理の本来のスピリットには決して気づくことのなかった当時の私の限界を示しているとも言える。また、先ほどの話をさらに高次元化し、いわゆる3次元球面の上で、4つの大球に囲まれた形の、体積が、同じように足したり引いたりすることで出るのではないかと思ってやってみたら、それは出ないということに気づいたりした(奇数次元と偶数次元で振る舞いが違った)。
大学に入ってからは、急にすごいスピードでたくさんのことを習ったため、高校までのように、ゆっくり自分なりの考えを付け足しながら学ぶテンポでなくなった。学部3年の冬、東大数理に、幾何模型が登場し、衝撃を受けた(高校のころ、何年かけても分からなかったことが、いきなり答えを見せられた形となったからである)。修士課程では、河野俊丈先生にご指導いただき、修士論文を書いた。D1で大きな病気となり、博士論文は書けないままに東大数理を去り、高校の教員となってかなり苦労し、紆余曲折を経たが、昨年(2025年、49歳)の10月にインターネットで長谷川先生と出会った次第である。
—————————————————————————————
以下からダウンロードできます。(PDFファイル、4.13MB)
数学的な誤り等ありましたら、お知らせくださればありがたいです。
(ワードで書いたのは失敗だったと思います。TeXで打ち直すかもしれません。)
