「ファイナルファンタジー」メインテーマのパイプオルガン用編曲版の採譜のご依頼をいただいた話(結婚式でのご使用)(動画あり)
2022年にいただいた採譜(耳コピ)のご依頼のお話を書きますね。ご依頼者様にはブログ掲載の許可をいただいています。
もともといただいた採譜のご依頼は、あるオルガンとヴァイオリンとハープによる音楽でした。YouTubeのリンクがはってありました。電子音に聴こえます。どうやらファイナルファンタジーの結婚式の場面のようです。私はファイナルファンタジーというゲームを知りませんでした。
この曲の、オルガンとヴァイオリンとハープの楽譜を起こすというご依頼でした。お打ち合わせを重ねるうちに、ご依頼者様は、これから結婚式を挙げられる花嫁さんであることがわかって参りました。採譜のご依頼のほとんどは、ご自身で弾きたいかたのご依頼ですが、このたびは、ご自身の結婚式で式場のオルガニストに弾いてもらうためのご依頼でした。式場にヴァイオリン奏者が手配できなかったりしたり、ハープも費用がかかるとか、いろいろお打ち合わせを重ねるごとに、方向性は変わって行きました。最終的に、ファイナルファンタジーのメインテーマを採譜することになりました。オルガンで弾いている動画からの採譜でした。
いまから20年近く前のことになりますが、私も自分の結婚式では、オルガン用に楽譜を書いたものです。もっとも私は式場のオルガンではなく、教会のリードオルガンのために書きましたが、今回のご依頼者様は、式場のパイプオルガンで弾いてもらうケースでした。
そのころ(2年前)の私は仕事を失って半年くらいのころです。前の職場では、ずっと向いていない仕事をしてきてしまいました。ようやく、人様に喜んでいただけるような仕事をするようになった初期のころです。自分の書いた楽譜が、ある結婚式で流れ、ご依頼者様の結婚を祝福する音楽となる・・・と思っただけで、わくわくしたものです。
とても有名な曲であるようでしたが、私にはなじみのない曲でした。しかし、ゲームをなさるかたのあいだでは極めて名高い音楽であるようでした。迅速にかつ正確に採譜しました。
このころは、じつはまだ私は「著作権侵害時代」でありました。このご依頼の前後で、週に5つか6つの採譜の依頼をこなし、1週間で6万円くらいの収入を得ました。「これならば生計を立てることができるのではないか」と思った私は、急に税金や著作権が気になって調べ始まりました。税金はいまでも勉強中です。著作権は、JASRACに正直に言えば、そこまでの著作権侵害はゆるしてもらえると知り、そうしました。私は2022年9月6日から、著作権的に「ホワイトな」採譜者となりました。
(実際には週に6万は稀であり、週に1,500円とかが普通なのでした。採譜で生計を立てるのは困難なのでした。)
(なお、この曲の作曲家は、植松伸夫さんという極めて有名なかたであるようで、JASRAC国内作品であり、著作物使用料は払ったとしてもそれほど高くないことも確認できました。)
このたびは、まことにおめでたい採譜となりました。式場のオルガニストのかたへも一筆を書き添えました。自分の仕事が人様の役に立つという、極めてありがたいことでした。
あれから約2年が経過しました。このときの思い出をブログ記事にしようと思い、そのときの花嫁さんと連絡を取ってみました。すぐにお返事がいただけました。結婚式は無事に終わっており、お子さんもお生まれになっておられ、いまもファイナルファンタジーを楽しくプレイなさっているとのことでした。これほどうれしいことはありません。
私にとってもこの曲は特別な音楽となりました。私にとってはこの曲は結婚式の音楽です。
そのときのfinaleで書いた楽譜から出力した動画を最後にはります。どうぞ結婚式と新郎新婦を思い浮かべてお聴きください!