1997年8月8日、ニセコ旅行記

1997年の夏、私は東大オーケストラの仲間の演奏会ツアーを追いかけて、北海道に行きました。彼らは、8月7日に函館で、また8月9日に札幌で演奏会がありました。札幌が最終地でした。そのあと、私は彼らと一緒に8月13日まで北海道を巡ることになりますが、本日は、その函館公演と札幌公演のあいだの日、8月8日に、単身で、ニセコを訪れた日のことを書きたいと思います。(なお、函館公演の日のことはかつてブログ記事にしました。最後にリンクをはります。このような8月8日のような日に東大オケはなにをしているのかと言いますと、おそらく小学校まわりをしているのです。五月祭と同じプログラムで小学校まわりをしているのでした。)

前の日、8月7日の函館は、同じく追いかけをしている先輩と一緒に有名な函館の夜景を見たあと、ユースホステル近くのお店で安くておいしいいくら丼を食べ、満足して寝ました。8月8日は朝、函館を出て、何度かニセコのユースホステルに電話をしつつ(当時は1997年です。いまのようにインターネットや携帯電話の発達した時代ではありません)、ニセコに向かいました。当時のニセコは、現在とは違うと思いますが、あまり観光地という感じではありませんでした。

駅に12時ごろ着きましたが、バスの時間である2時ごろまで時間があるため、周辺を散歩しました。函館は非常に天気がよかったですが、この北海道旅行のあいだ、晴れたのは初日の函館のみであり、あとは曇っていました。この日も雨は降っていませんでしたが、曇っていました。しかし、とてもいい眺めでした。羊蹄山(ようていざん)は雲をかぶっていて下のほうしか見えませんでした。ニセコアンヌプリも同様でした。(ニセコアンヌプリも山の名前です。)1時間歩いて、戻りました。駅付属のレストランがありました。とてもきれいなところでした。そこでカレーを食べましたがおいしかったです。

バスで少し行き、そこでユースホステルのおじさんに会いました。その車でユースへ向かいました。何とか小学校と書いてあり、おそらく廃校になった小学校をユースホステルとしたものであると思われました。「プーハウス」という名前でした。(「プー」はおそらくくまのプーさんのプーです。)時間があるため、徒歩で1時間弱くらいあるところへ行きました。ソフトクリーム屋さんがあり、ブラウンスイス(?)とかいう牛の乳で作られていました。その牧場の直営のソフトクリーム屋さんであり、その牧場の牛の乳で作られているのでした。極めておいしかったです。

写真館が隣にありました。歩いて帰りました。眺めもよかったです。とうきび(北海道のかたは、とうもろこしのことをこう呼んでおられました)や、他のいろいろなものを作っておられました。「いかにも北海道」という眺めであり、とてもよかったです。(晴れていればもっとよかったかもしれません。)かたつむりや、大小無数の貝がいました。帰り、あるレストランで、熱気球をやっていて驚きました。車で来ている家族連れなど多いのでした。

ユースホステルで、大阪から来たお兄さん、バイクで温泉を巡っているお姉さんなどに会いました。皆さんそれぞれ北海道のユースホステルの旅を楽しむ仲間です。山登りをしようと来た人などもいました。ユースのおじさんの車で、付近の温泉(ホテル付属でした)に行って入りました。露天風呂は小雨でした。

それで帰って来てユースに泊まるみなさんとなんとなくくつろいでいるとき、いきなりバッハの「トッカータとフーガ」(「チャラリー!」)が聴こえて来たのでした。なにごとかと思ってみんなで行くと、なんと、さっきのユースのおじさんが、アコーディオンを弾いておられるのでした。じつはここのユースホステルのご主人は、アコーディオンをお弾きになるのであり、こうして(おそらく)毎晩、宿泊客の前でミニリサイタルを開いておられたのでした。もともと教室であったと思われるところにそのミニリサイタルの会場はあり、そのまるでクマさん(プーさん)のようなおじさんのアコーディオンのリサイタルが始まったのでした。みんな、小学校のいすに座っておじさんの演奏に耳を傾けました。

とてもすばらしかったです。演奏の雄弁さと、その曲と曲のあいだのおじさんの訥々とした語りが対照的でした。わけても印象に残っているのがモーツァルトの「トルコ行進曲」であり、完全に音楽がおじさんの手に入っていました。私はこのとき21歳で、いま48歳になりますが、いままで生で聴いたなかで最もすばらしかったモーツァルトのトルコ行進曲は、間違いなくこの1997年8月8日にニセコのユースホステルでアコーディオンで聴いた演奏です。

おじさんの、ホールでのリサイタルのチラシなども見ました。本格的な腕前であられるのです。

この時間帯、雨が強く降り、これ以上はどこも出かけず、ニセコのユースに泊まったのでした。

翌日は朝のうちまた散歩でソフトクリーム屋さんに行きましたが、早すぎてやっていませんでした。そのあとおじさんの車で駅に行きました。大阪からのお兄さんと一緒です。例の駅付属食堂で牛乳を飲みました(おいしい!)。そのあと私は札幌へ向かったのでした。東大オケの札幌公演(最終地)を聴くためです。その日の話はまたいつかいたしましょう。本日は、ニセコでおいしいソフトクリームを食べ、ユースホステルですばらしいアコーディオンを聴いたお話でした。

この記事を書くにあたり、ニセコに電話しましたが、いまはニセコのユースホステルはないそうです。ただしニセコのユースにアコーディオンを弾くご主人がおられたことは電話に出られたかたもよくご存じでした。(この日の全プログラムを調べることができないかな、と思ってかけた電話でした。)

なお、東大オケのプログラムを書いておきますと、函館および札幌の演奏会は、ドヴォルザークの「謝肉祭」序曲、レスピーギの「ローマの噴水」、ブラームスの交響曲第1番でした。小学校まわりのプログラムは五月祭と同一なので、それも書きますと、オッフェンバック「天国と地獄」序曲、ブラームスのハンガリー舞曲第5、6番、ベートーヴェンの交響曲第6番ヘ長調「田園」から第1楽章、ビゼー「アルルの女」からファランドール、フォーレ「ペレアスとメリザンド」抜粋、ムソルグスキー=ラヴェル「展覧会の絵」抜粋、でした。

最後に、この日の前の日のことである、東大オケの函館公演の日のブログ記事をはりますね。

目次