群に単位元は1個だけ

(専門的な内容の記事になります。それでもよろしければどうぞお読みください。当教室のブログ記事には、もう少し読みやすい記事もございます。)
あるとき、当教室で、群の説明をしていました。ある本に基づいて、ご説明をしました。群とは、集合に演算が定義されていて、演算について閉じていて、(1)結合法則が成り立つ、(2)単位元が存在する、(3)逆元が存在する、の3つの仮定を満たすものです。それで、ご説明をし、やさしい演習問題をご一緒にやってみましたが、どうもその本は、単位元はあれば((2)の仮定よりありますが)1個であることが書いてありませんでした。そこで、今回のブログでは、群に単位元は1個だけであることを示そうと思います。参考文献は、堀田良之『代数入門―群と加群―』です。
(1)だけを満たすものを半群、(1)と(2)だけを満たすものをモノイドと言います。半群で、単位元はあれば1個であることが以下のようにして言えます。
${S}$を半群とします。${e}$と${e’}$を単位元とします。${e=e’}$が言いたいです。${e}$は単位元ですから、任意の${x \in S}$について、${ex=x}$なので、とくに${ee’=e’}$です。また、${e’}$は単位元ですから、任意の${x \in S}$について、${xe’=x}$なので、とくに${ee’=e}$です。以上から、${e=ee’=e’}$です。証明終わり。
短い証明ですが、これが載っていないと初学者は困るわけです。本日の記事は以上です。
