自伝風の読み物 ⑨ 三角形の内角の和は常に180°

小学校の1、2年のときの担任の先生は非常に恐ろしい先生で、毎日のように厳しく叱られました。私はいまもそうですが、整理整頓が苦手であり、忘れ物やなくし物が非常に多かったからです。学業もそれほど振るわず、いわゆるクラスにおける「カースト」も最下位でした。小学校3年、4年のときの担任の先生は、1、2年のときの先生より恐ろしくなく、いま考えると理系の先生であられたと思います。印象に残る算数の授業がいくつかあります。本日はそのうちのひとつである、三角形の内角の和が常に${180^{\circ}}$であることの証明を聴いた話です。(したがって、これは小学3年か4年のときの思い出です。当時はこのことは小学3年か4年で習ったことになります。)

三角形の内角の和が常に${180^{\circ}}$であることは、この授業の少し前にどこかで聞いて知ったと思います。その話を聞いたときは、信じられませんでした。しかし、どうも確かにそうなるようです。直角三角形ならば信じられると思いました。直角三角形の場合は、ひとつの角が直角で、残り2つの角の和は、いかにも${90^{\circ}}$になりそうだったからです。しかし、一般の三角形でこれが成り立つことは信じがたい気がしました。隣の席の女子に、このfactをしゃべってみました。彼女も信じられないと思ったようで、いろいろな三角形を紙にかいてきました。「これでも成り立つのか?」ということだったと思います。彼女のかく三角形は、極端な、すなわち、ひとつの角が${0^{\circ}}$に近かったり、${180^{\circ}}$に近かったりするような、ぺっちゃんこなものが多かったですが、確かにそのような三角形でも、3つの角の和は常に${180^{\circ}}$になるのでした。驚異でした。(以下の図で、理想的に${\angle A}$を${180^{\circ}}$、${\angle B}$と${\angle C}$をそれぞれ${0^{\circ}}$と考えても成り立つ。また、${\angle D}$と${\angle E}$を${90^{\circ}}$、${\angle F}$を${0^{\circ}}$と考えても成り立つ等。)

それで、このことについて授業で習った日があるわけです。

先生は、この主張の証明に、まる1回の授業を費やされたと思います。1時間の授業は45分だったでしょうか、40分だったでしょうか。私は、感動とともにそのお話を聴いていたと思います。確かに、三角形の角の和は常に${180^{\circ}}$になる!先生は、以下のような場面で立ち往生をなさったことを思い出します。三角形の角の和が、${360^{\circ}}$になったのです。私は見ていて、以下の角を足しているからだと気づきましたが、言えませんでした。先述の通り、クラスのカーストが最下位で、先生の授業に口出しできるような地位にいなかったからでもあります。

ずっとのち、私は高校生のときに、ガウス=ボンネの定理の一部を発見・証明していたということがありましたが、その話はまた稿を改めます。この、三角形の角の和が常に${180^{\circ}}$になるという性質は、ユークリッド幾何の特徴なのでした。本日は、とても感動的だった算数の授業についてでした。

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