「傾向」という概念から「普通」という概念へ、そして「障害」「障害者」という概念へ(1)

以下は、過去に書いたことのあることのまとめかもしれません。しかし、全体をお読みいただきますと、新しいことも書いていると思いますので、どうぞお読みいただけたらと思います。

長くなりそうですので、3つに分割します。およそ1週間ごとに「連載」をしたいと思います。どうぞ続けてお読みくだされば、と思います。

まず、傾向という概念からです。これは、高校の数学の教科書の「データの分析」という統計の分野の「2つの変量の関係」というところに出てくる話です。相関関係とも言います。私は、傾向という概念は「偏見」と紙一重であり、その「偏見」というものの正体を正しく見るために「傾向」という概念を学ぶのだと思っています。いくつかの「傾向」の例を挙げますね。

私が気づいているものとして、大学のオーケストラのうまさと、その大学の「名門度」が強い正の相関にある(と感じられる)というものがあります。この傾向に沿っている例として、手前みそですが、東大オーケストラがあります。東大はおそらく名門大学と見なされていて、そして東大オーケストラは「うまい」と思います。もちろんこれは例外があるわけでして、ある名門と言われる大学のオケで、それほどうまいと思われないオケがあったことも思い出します。まあ「傾向」ですね。(すでに「傾向」という概念が「偏見」と紙一重であることは鋭い読者のかたはお気づきになったかもしれません。)

あとは、数学者で、数学上の大道具を使った「難しい」研究をするかたに、イケメン/美人が多い傾向にある気がしていました。私はエレメンタリーな議論をする、イケメンでない学生でしたので「例にもれず」です(笑)。

いまから挙げる「傾向」の例は、もろに偏見と紙一重なので、取り扱いに注意を要します。しかし、私が、偏見というものの正体をよく観察するために以下の例を挙げていることは、注意深くお読みくだされば、お分かりになることだと思います。

採譜(音楽を耳で聴いて楽譜に起こす仕事)をしていたころに気づいたことです。ご依頼になる皆さんの男女比で、圧倒的に女性が多いのです。ここで私は仮説を立てました。男性より女性のほうが、人に頼る能力が高いのではないか。これを裏付ける話をいまから書きます。

あつかましいと言えばおばちゃんです。甘え上手といえばお姉さんです。もしかして甘え上手なお姉さんがおばちゃんになると、あつかましいおばちゃんになるのかもしれません。こう書くと、明らかな偏見に見えます。しかし、どうぞ先をお読みください。

男性のほうが、女性より自殺が多いと聞きます。これも、男性のほうが人に頼る能力が低いので、どうしてもひとりで抱え込んで、自殺に至るのではないか。

教会には、女性が多いです。これは、「週報」のような統計を見ても明らかです。これも、教会というところは、神頼み、人頼みの世界なので、女性が多い傾向にあるのではないかと。逆に牧師は男性が多い傾向にあります。頼られる仕事が牧師ですからね。(神父は男性しかなれないです。)

そして、頼る人は下に見られる傾向にあります。私も福祉に頼る身だから分かるのですが。これが、だいたい「ご主人」「奥様」という言いかたの成立する根底にあるのではないか。つまり、人類の歴史とともにある「男尊女卑」(男が上で女が下)という認識のもとにある「傾向」という概念ではないか。

というわけで、傾向という概念が、いかに偏見と紙一重にあるか、というのを見て参りました。ここから、「普通」という概念への道をお示ししたいと思います。それに続いて、「障害」「障害者」と言われる概念へと話を進めて行きたいと思います。

第1回はここまでです。1週間後に投稿される第2回に続きます。どうぞ続きをお楽しみに!またお読みくださいね!

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