自伝風の読み物 ⑱ 4次元における正四面体に相当するもの

この「自伝風の読み物」というシリーズで、中学生のころ、4次元のことについて考えていた記事をここまで2つ書きました。⑮「4次元における立方体」、⑯「4次元における2直線の位置関係」の2つです。このあと、私は、4次元における正多面体に相当するもの(名前がないため、自分で名前をつけました。正多体塊という用語です。いくつかの体に囲まれた4次元のかたまりという意味です。⑮をご参照ください)をいろいろ考えました。以下のようなことに気づいた日がありました。

正三角形は、線分があり、その線分を含む直線上にないある1点から、その線分上のすべての点を結んで得られる図形であると考えられます。

同じように、正四面体とは、正三角形があり、その正三角形を含む平面上にないある1点から、その正三角形上にあるすべての点を結んで得られる図形であると考えられるわけです。

同じように考えれば、正四面体があり、その正四面体を含む3次元空間上にないある1点から、その正四面体上にあるすべての点を結んで得られる正多体塊があるではないか。ということに気づいたのです。

(これに気づいたときは、正八体塊を発見したときや、2直線の位置関係は3次元空間であり得たもの以外に4次元では増えないことに気づいたときのような大きな衝撃はありませんでした。だいぶ4次元については見通しが立ってきて、今回の発見は、よく考えれば気づく、という発見だったからでしょう。)

この図形は、底体(底辺とか底面という言い方からすると底体というのでしょう)の正四面体に${4}$つの頂点があり、あと${1}$つ頂点があるので、${5}$個の頂点があります。底体に辺は${6}$本あり、そのほか、底体の${4}$つの頂点と、てっぺんの頂点を結んだ${4}$つの辺があるので、辺は${10}$本です。底体に面は${4}$枚あり、そのほか、底体の${6}$つの辺と、てっぺんの頂点を結んだ${6}$つの面があるので、面は${10}$枚です。底体に体は${1}$つですが、底体の${4}$つの面と、てっぺんの頂点を結んだ体が${4}$つあるため、体は${5}$個です。この図形は、正五体塊と呼ばれるべきものでした。

ここから分かることがあります。「正四角形→正六面体→正八体塊」のシリーズは何次元に行っても存在し、「正三角形→正四面体→正五体塊」のシリーズも、何次元に行っても存在するため、何次元に行っても、この正多面体というものは、少なくとも2種は存在するということでした。

正五体塊の展開図も考えました。1つの正四面体の4つの面に、1つずつ、4つの正四面体がくっついた3次元の図形となるのでした。

ずっとのち、大学生になって、このような図形は、単体ということを習いました(ただし単体は各辺が同じ長さでなければならないという条件はありませんが)。私に単体を教えてくださった東大数理の先生は、「3次元の図形も2次元の紙にかくでしょう。4次元の図形も2次元の紙にかけますよ」と言いながら、以下のように黒板に4単体の絵をかかれました。

(いまこの記事を書いてみて、この話はM1のとき、学部生向けのホモロジーの授業のT.A.をしているときのものじゃないかという気もしましたが、いまとなってはいつのときの記憶かはっきりしません。)→たぶんそう。松本先生は単体複体でホモロジーを導入された。自分が学部3年のときの記憶じゃないと思う。

本日は、正多体塊として、正五体塊を見つけたときの話でした。

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