${1+(1+2)+(1+2+3)+\cdots+(1+2+\cdots+n)=_{n+2}C_3}$(数学がちがちの記事です)

これは「数学がちがち」な記事です。でもわかったら楽しいと思いますので、よろしかったら寄り道してくださいね。高校で習う「場合の数」「数列の和」を前提としています。(たとえばきのうの記事のほうがずっと気楽に読めますのでよろしければそちらをどうぞ。)

先日、2種類の折り紙で折れる「しゅりけん」が、${n}$種類の紙で、何種類、作ることができるか、というご質問を受け、いろいろ考えました。楽しかったです。それで、3種類の折り紙で折れる「こま」という折り紙があることを知りました。${n}$種類の紙で、何種類の「こま」が作れるでしょうか。これを考えてみましょう。

${1}$種類の紙で折れる「こま」は${1}$種類です。「AAA」ですね。${2}$種類の紙で折れる「こま」は${4}$種類です。「AAA」「AAB」「ABB」「BBB」ですね。では、${3}$種類の紙で折れる「こま」は何種類でしょうか?数え上げましょう。「AAA」「AAB」「ABB」「BBB」「AAC」「ABC」「BBC」「ACC」「BCC」「CCC」ですべてでしょうか?${10}$通りですね?これは、小学生なら数え上げをするでしょうが、規則性はあるでしょうか?${n}$種類の紙のときに、何種類の「こま」が作れるでしょうか?

これは、${1}$種類、紙が増えるごとに、${1,4,10,\cdots}$とこまの種類が増えていきます。まず、${2}$種類の折り紙で折れる「しゅりけん」で考えることにいたしましょう。

${1}$種類の紙で折れるしゅりけんは、${1}$種類です。「AA」ですね。${2}$種類の紙で折れるしゅりけんは、${3}$種類です。「AA」「AB」「BB」です。${3}$種類の紙で折れるしゅりけんは、${6}$種類です。「AA」「AB」「AC」「BB」「BC」「CC」です。これは、${3}$種類目の紙Cが増えるときに、${2}$種類のときの${3}$通りに加えて、「AC」「BC」「CC」が増えるので、プラス${3}$となっているわけです。${4}$種類の紙があったらそれはプラス${4}$となるわけです。つまり、${n}$種類の紙があったときのしゅりけんの種類は${1+2+3+\cdots+n}$通りです。これは等差数列の和の公式により、${\frac{1}{2}(n+1)n}$通り、あるわけです。これを「こま」の場合に応用します。

こまは、紙が${1}$種類のとき、「AAA」の${1}$種類だったわけです。紙がもう${1}$種類、増えることによって、これに「AAB」「ABB」「BBB」の${3}$種類が増える。それで、もう${1}$種類の紙が増えて紙が${3}$種類になることによって、「AAC」「ABC」「ACC」「BBC」「BCC」「CCC」の${6}$種類が増えます。つまり、「AA」「AB」「AC」「BB」「BC」「CC」の${6}$種類、増えていますので、ここで増える数は、${n}$種類の紙で折れるしゅりけんの種類である、${1+2+3+\cdots+n}$種類だったわけです。

ここからは、ちょっと高校で習う数列の知識がいりますね。${1+(1+2)+(1+2+3)+\cdots+(1+2+\cdots+n)}$の計算をせねばならないからです。以下のような計算をします。

${1,1+2,1+2+3,\cdots}$という数列の第${n}$項までの和を計算するわけです。この数列の第${n}$項は、うえで求めたように、${\frac{1}{2}(n+1)n}$であるわけです。これの第${n}$項の和は、以下のように表せます。

$${\sum_{k=1}^n \frac{1}{2}(k+1)k}$$

これはいかにも高校の参考書に載っている計算である気がしまして、飛ばさせていただきますが、皆さんが「シグマの公式」と呼んでいるものによって、以下のような計算結果となります。(実際の計算は演習問題といたしましょう。)

$${\frac{1}{6}(n+2)(n+1)n}$$

ここで、重複組み合わせというものを考えましょう。同じ計算になることを見ましょう。

まず、しゅりけんです。${n}$種類の紙で折れるしゅりけんの種類は、${n}$個の異なるものから重複をゆるして${2}$個とる場合の数は、${n-1}$個の「しきり」(${|}$)と${2}$個の「まる」(${\circ}$)の並べ方の総数なので、${_{n+1}C_2}$通り、あります。これを計算しますと、${\frac{(n+1)n}{2\cdot1}}$通りなので、確かに先ほどの計算と同じになります。

そして、こまです。${n}$種類の紙で折れるこまの数は、${n}$個の異なるものから重複をゆるして${3}$個とる場合の数であり、${n-1}$個のしきりと、${3}$個のまるの並べ方の総数であり、${_{n+2}C_3}$通り、あることになります。これを計算しますと、${\frac{(n+2)(n+1)n}{3\cdot2\cdot1}}$通りとなり、確かに同じ結果となります。(というか、こちらのほうが高校で習う数学ではオーソドックスですよね…)

それで、以下のような絵を考えます。四面体の内部にある点の個数です。最も上の段に点が${1}$個。${2}$番目の段には点が${1+2}$個。${3}$番目の段には点が${1+2+3}$個です。つまり、三角形状に並ぶ点の個数は${\frac{1}{2}(n+1)n}$個ですが、四面体状に並ぶ点の個数は、${\frac{1}{6}(n+2)(n+1)n}$個であったわけです。ぼけた写真でごめんなさい。

これで、

$${1+(1+2)+(1+2+3)+\cdots+(1+2+\cdots+n)=_{n+2}C_3}$$が言えますね。

これを、さらに次元を上げることもできます。${4}$種類の紙で折れる折り紙があったとして、それで考えればできるのです。これを視覚化しようとすると、どうしても${4}$次元の空間に存在する点の個数となって、かえってイメージしづらくなります。数列の和と、重複組み合わせの数が一致することについては演習問題といたしましょう。本日はこのへんまでです。大変でしたね。お疲れ様でした。

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