△NHK≡△TBS

私は教員時代、オーケストラ部の顧問でした。(これはクラシック音楽オタク話ではありませんよ。)その部活で、オーケストラについて詳しいのは、下っ端の顧問である私だけでした。「特殊楽器」と言われる専門用語があります。「特殊楽器」で、四文字熟語なのです。ところが、筆頭の顧問に、いくら「特殊楽器」という言葉を使っても、彼はそれを「特殊な楽器」というふうにしかとらえられないのでした。これには非常に参りました。

小学6年生の算数の教科書の、余談のようなページに「森林面積」という言葉が出て来ます。よく読むと、その森林面積という言葉は「森林の面積」という意味らしいのですが、私はちょっと気になりました。ある生徒さんにこの話をすると「森林面積とは森林業界の専門用語かもしれませんからね」と言われました。私もそう感じます。

最近、これの顕著な例を思いつきました。「北海道の大学」と「北海道大学」は異なります。同じく、「東京の大学」と「東京大学」は異なります。東京に住む人で「東京の大学」と言おうとして、間違って「東京大学」と言ってしまう人はまずいないだろうと思います。

私の年上のメール友達で、ハンガリーに住む友人がいます。彼は数学仲間でもキリスト教仲間でもなく、クラシック音楽オタク仲間です。私よりだいぶ年上です。「教育関係の仕事をしている」と言っていたことがあります。これは教員ではないということがわかります(教員ならはっきり教員と言うでしょう)。ソルノクに住んでいましたが、十数年前にソルノクからブダペストに住所が変わりました。おそらく定年退職をして引っ越したということだと思います。数年前、じつはある大学のスクールカウンセラーをしていたということを教えてくれました。なるほど、ソルノクの大学でスクールカウンセラーをしていたのか。ここで彼が勤めていた大学を「ソルノク大学」だと認識してしまうのは、広島の大学を広島大学だと認識するようなものだろうと思います。おそらくソルノクに住む人からしたらそれははなはだ違うでしょう。

ただし、ソルノクに住む人からしたら、「広島の大学」と「広島大学」は同じようなものかもしれません。

(私が「ソルノク」という地名を知っているのも、他ならない彼が住んでいた町だからです。知り合いがひとりでもいるかいないかでだいぶ違います。)

あるとき、ある生徒さんが、「△ABC」というべきところで、おそらく略して「ABC」とおっしゃっていたことがあります。私は文脈上、それでは通じないと思いました。私は以下のように申し上げました。ABCだとアルファベットを3文字つなげているに過ぎず、たとえばNHK(日本放送協会)と言っているのと同じようなものであると。△NHKと言われれば、3点N、H、Kを頂点とする三角形のことだと思うだろうけれども、と。

もちろん、伝わればいいのです。wednesdayと書いて「水曜日」と伝わればいいのです。(学校英語だとバツを食らいそうですけどね。いまwを小文字で書きましたので。正確にはWednesdayなのでしょう。)しかし、先ほどの「ABC」という例は、「伝わらない」と私は感じたのです。繰り返しになりますが、「東京の大学」と「東京大学」は異なります。伝わるように言うためには、正確に言葉を使わねばならない場面があると思います。

(小学校の教科書で円周率を「円周÷直径」と説明してありますね。これは「”円周の長さ”÷”直径の長さ”」ではないか、とも思ったりいたします。円周を直径で割ることはできないですよね・・・。私って「細かいことを気にしすぎる人」に思えるのでしょうか?)

本日は以上です!つまらない話でしたらごめんなさいね!

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