SNSで悪口を言われても傷つかない方法

私はとても傷つきやすいタイプです。前の職場でも、毎日のように「お前、いくらもらっていると思っているのだ!」と言われていました。これは毎週言われてもきつい言葉ですが、私はこれを毎日のように言われていたのです。どれだけ私ができない人間かはこのサイトの「私の経歴と算数・数学に対する考え(私の経歴と算数・数学に対する考え – 星くず算数・数学教室 (hoshikuzumath.com))」に詳しく書かれていますが、ずっと叱られて来ました。しかし、私はSNS等では傷つかないのです。これは相手の非論理性を文面から見破ることができるためだと気づいて来ました。恰好の例がありますので、さっそく例を見てみることにします。

以下のは2021年10月のある教会の牧師さんの説教(教会の礼拝での宗教的説話)のYouTube動画につけられていたコメントです。その時期というのは、1年延期された東京オリンピックが閉幕して少ししてコロナが落ち着いたころで、菅総理大臣が辞任するというタイミングでした。私はかつて教員をしており、人前でしゃべるのが仕事であったわけですので、その牧師さんになったつもりでコメントを読むことにしましょう。まずその牧師さんは、そのころコロナが落ち着いてきていて、オリンピックのころにコロナが流行っていたのとは状況が違ってきている話をしています。2020年のオリンピックを1年延期し、もっと延期すべきだとか、いっそ中止にすべきだとか、いろいろな議論が出ていたことを覚えておられますでしょうか。そして、菅さんは「自助、共助、公助」と言って総理に就任しました。その牧師さんは「まず自助って言っても自分で自分は助けられないのではないか」という話をしていました。それが説教のマクラであり、そこから聖書の話になっていくという動画です。そのコメントです。

「去年も第一周目には管総理のことをボロクソ言っていましたが、何故ですか?ちなみに自分はコロナ感染者とオリンピックの開催は残念ながら何の関係もないと思っています。異論があれば、資料やデーターを出して、本や論文で書かれてはいかがでしょうか?申し訳ありませんが、導入のお話はキリスト教や聖書とは何の関係もありませんし、特定の人物に対する非難や批判はクリスチャンの悪い癖だと思っています。ペトロ、ユダ、ヘロデ王などもそうですが、彼らが個人として悪いわけではありません。礼拝は特定の個人を攻撃する場ではないと思いますよ。」

私はこれを読んだときに血の気が引く思いがしました。もしも私が牧師で、説教をした瞬間にこのようなことを言われて、その人にサッと逃げられたりしたら、立ち直れないくらいのショックを受けるだろうと思います。しかし、このように文面で書いてくれると、この人がかなり非論理的であることがわかります。以下に見ていきましょう。

まず「ボロクソ言っていましたが」と書いてありますが、よく話を聞けばこの牧師さんは菅さんをボロクソは言っていないことがわかるのです。むしろ「この時期は誰が総理大臣をやっても大変でしたよね」と言って菅さんをいたわっているのです。

それから「コロナ感染者とオリンピックの開催は残念ながら何の関係もないと思っています」と書いてあり、「残念ながら」と言うからにはこのコメントを書いた人はコロナとオリンピックは関係があったほうがよかったと思っていることになります。しかもこの牧師さんはコロナとオリンピックが関係あったとは言っていません。オリンピックの時期にコロナが流行っていたとは言っていましたが、関係あるとは言っていません。ですから「異論があれば」と書いてありますが、異論はないわけです。

さらに「申し訳ありませんが、導入のお話はキリスト教や聖書とは何の関係もありませんし」と書いてあり、導入の話がキリスト教や聖書と関係がないことをこのコメントを書いた人が「申し訳ありません」と謝っていることになります。さらに導入の話がキリスト教や聖書と何の関係もないと言い切るためには相当のキリスト教や聖書の知識がいることになります。百歩譲って聖書と何の関係もなかったとして、牧師が説教の導入で聖書と関係のない話をしてはいけないという決まりもないわけです。こう見て来ると、このコメントを書いた人は、相当、人の話を聞いていないということが明白になってきます。

さらに、「第一周目」というのは「第一週目」と書きたかった誤字でしょうし、つぎの「管総理」も「菅」と書くべきところが「管」になっており、やはり誤字であるとしか言いようがありません。

私の見るところ、世の中の悪口雑言のほとんどはこの手の初歩的な論理の破綻で満ちており、おそらくは生で言われる悪口も、この水準なのです。いかがでしょうか。相手にするのも馬鹿馬鹿しいということがお分かりいただけましたでしょうか。

ですからツイッターで悪口を書かれてショックで自殺などなさることはないのです。たとえばこのような悪口を書かれたときも、冷静になってみれば、ほとんどの場合、相手の論理は破綻しています。こういうものはもちろん反論してもいいですし、それも馬鹿馬鹿しければスルーなさればいいと思います。人の悪口でショックを受けやすいという皆さん、ぜひ「星くず算数・数学教室」に入門なさってですね(笑)、論理を初歩から学び、世の中にまかり通る詭弁を見破れるようになりましょう。これでだいぶ生きやすくなります。

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